先斗町の安全のために「先斗町火災対策ネットワーク会議(仮称)」というものが設置されるそうです

7月5日午後7時15分頃に発生した京都先斗町での火災。通報から3分で放水されたようですが、ほぼ火が消えたのが約4時間後。完全沈下を確認したのが、翌日6日午前6時15分頃ということです。

今回の火災をうけ、地域団体「先斗町まちづくり協議会,先斗町のれん会,立誠学区自治連合会・自主防災会」と関係機関「消防局,都市計画局,中京区役所,中京消防署,中京消防団,中京警察署」が集まって「先斗町火災対策ネットワーク会議(仮称)」を設置することが決まったという案内がでていました。

京都市消防局 【広報資料】先斗町火災対策ネットワーク会議(仮称)の設置について

12日の産経新聞の記事では、先斗町の店舗関係者の以下の話が載っています。

先斗町まちづくり協議会は年数回、店舗関係者らを集めた防災訓練などを開催しているほか、消火器の共同購入の呼びかけなども行っていた。協議会では「町全体で火災には注意していただけに残念。今後は消火器の設置をこれまで以上に厳しく促し、訓練も実施し、改めて注意喚起を行いたい。」

上記のような取り組みはとてもいいことだと思うのですが、気になったのが、取り組みに対して法的拘束力があるのかどうか?というのと、利用者を巻き込んだ形での取り組みにはなっていないということ。

本当に防火・防災につよい街づくりにしようとすると、先斗町の道路幅の見直し、建物の立替が必要になりますが、現時点での現実的な対策としては、現実は難しい。

次にできる対策としては、各店舗の初期消火に対する認識の強化と、消火設備の増設。これをどこまで徹底的にするかですが、努力ベースでの取り組みであれば、先斗町の全店舗で100%の意思統一をするのは、これも恐らく難しいのではと思われる。

火災が起きて間もない今は、みんなの防火に対する意識が高いかもしれませんが、時間が経過し、店舗の代替わりをすれば意識が薄れることも考えれれます。

また、地域団体と関係機関の新たな取り決めができたとしても、来店するお客さんがその取り決めを知らなければ、取り決めが守られているか知ることができません。

そこで、お客さんに、先斗町の防火・防災への取り組みに対して、店舗がどのような対策をしているかを、店頭及び店内に公開してもらい、監視してもらうようにする。

例えば、下図のような情報を店舗、店内やメニューに貼り付けます。
店舗防災情報公開

このような取り組みをして、今まではお客さんが先斗町の店舗を選ぶ基準は「料理の内容、味、店舗の雰囲気」だけでしたが、新たに、「防火・防災対策」をしている店舗かどうかを基準に加えて選んでもらうようにする。

つまりは、お客さんに対して防火・防災対策のできていない店舗を利用するということは、災害時にあなたが怪我や死亡する確率が上がりますよというメッセージを送ります。同じく、そこで働く従業員も同じことですので、きちんとした防火・防災対策をしない店舗運営をしようとするとお客さんや従業員は集まってきませんよという環境づくりをする。

これらのことは、お客さんにとってもメリットがあります。
先斗町全体の防火・防災対策の意識があがり、店舗の対策がわかれば、安心してお店を利用できますし、いざというときの避難行動を落ち着いてできるようになります。

お客さんとして先斗町にきて、防火・防災対策の意識無く、非常事態が発生するのと、意識を持った上で非常事態が発生するのでは、行動に明らかな違いがでると思います。

 

あなたがお客さんなら、防火・防災対策の取り組みを提示しているお店と提示していないお店、どちらを利用したいですか?

 

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火災が発生した場合、消防士の方はどれぐらいの温度と向き合うことになるのか?

YouTubeの火災に関する動画を見ていると、ときどき、撮影者が「離れている場所にいるのに、熱さが伝わってきます・・・」というような言葉を言っているときがあります。

では、消火でもっと近くにいる消防士の方は、いつもどれぐらいの温度と戦っているのかというのを調べてみると、木造建築で火災最盛期のときの温度になると思いますが、とんでもない温度でした。

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