広域大規模災害が発生した場合、火災が発生しても消防は来ない、来れないを前提に消火設備を準備しておきたい

1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災。そのときに、消防・救助活動をしていた神戸市消防局の方々の手記をまとめた本「阪神淡路大震災 消防隊員死闘の記」を改めて読んでみました。

この本のプロローグの一部を抜粋するとこのような記述があります。

いつもなら消防車がやって来て、いち早く火を消火してくれるのはずなのに・・・。消防車が来なかったり、来ても消火のための水が出なかったり、人々は恐怖のドン底に追いやられた。

新聞やテレビなどのマスコミは、「消防は何をしているんだ」「何時になったら消せるんだ」と、迫ってくる。しかし、消防隊員は弁解したくてもそんな機会もなく、汗まみれ、泥まみれの身体に鞭打って、次から次へと現場を転戦していった。・・・

地震発生時の消防の規模がどのようになっていたかを調べると、「神戸市消防局 情報写真館」の「阪神淡路大震災・神戸消防の活動」ページに、そのときの地元の消防及び、各方面からの応援部隊の人数は以下のように記録されています。

  • 地震発生時の各署の部隊編成は、11消防署16出張所、80小隊、警備人員(勤務中の人数)は292人であった。
  • 同日14時30分:生田消防署に対し、大阪市浪速区の中林建設から重機の派遣申し出があり、生田署がこれを要請。その後続々と消防隊が神戸に駆けつけ、17日24時時点でポンプ車隊群が182個小隊860人、
    ヘリコプター9機52人、自衛隊2562人となった。

そして、地震による被害で「市街地では消火栓が一部の地域を除き殆どが使用不能の状態であり、火勢が非常に強いため、消防隊は河川やプール等を水利に火災防御活動を行なった。」とあります。とにかく、火を消すための水が使えないということで、消火が困難であったということです。

これらのことを考えると、広域大規模災害が発生した場合、火災が発生しても消防は来ない、来れないを前提に私たちも消火設備を備えないといけないということを感じます。もちろん、私たち個人が準備できるレベルの消火設備では、火を押さえ込むのは難しいかもしれませんが、数分でも、数十秒での、炎の広がりを押さえ込むことができれば、逃げる時間をかせぐことができると思います。初期の段階なら鎮火できるかもしれません。

水道管や消火栓が使えないことを考えると、消火器や独立型の消火設備を準備を大切な家族を守るために準備したい。

YouTubeにも当時の記録動画がアップされていますので、一度は見ておくことをお勧めします。

Wikipediaにある日本の地震の年表を見ていると、あらゆる場所で毎年のように地震が起きているのがわかります。

今後発生すると予想されている南海トラフ地震の被害想定を見ていると、規模が大きすぎて想像しきれませんが、とにかく少しでも多くの備えをしたいですね。

PAGE TOP

You may also like

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA